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医療講演会【ノロウイルス】を開催しました。

更新日:2015年11月24日 日記

こんにちは。事務課 吉村です。

11月13日(金)に地域交流サロンで医療講演会を行いました。今回の講習会はノロウイルスについてです。吐き気、嘔吐、腹痛、下痢など激しい症状を繰り返し、過去につらい思いをされた方も数多くいらっしゃると思います。11月上旬の段階では、今シーズンは例年を上回る患者報告数が確認されており、これから冬本番になると、患者数はますます増加することが予想されます。また今年はGⅡ・17と言われる新型が出現しています。この変異型ノロウイルスは殆どの人が免疫をもっていないため、広く流行する危険性を持っています。以下講演会の様子です。

 

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皆さんはノロウイルスの根元としてどのような食材をイメージしますか?真っ先にカキが思いついた方も多くいらっしゃると思います。その通りです。ノロウイルスの感染源で最も注意しなければならないものは魚介類、特に2枚貝です。ではなぜ感染源として2枚貝に注意が必要なのでしょう。理由を簡単に説明すると、ウイルスに感染した人間から排出される下痢便や嘔吐物がトイレに流された場合、全て排除することは難しいので、川や海に一部流されます。その海水を2枚貝が飲み込み内臓でウイルスが濃縮されてたまります。よって十分に加熱しない場合、人間が口にするとすぐに感染してしまうという訳です。

しかも感染経路はまだまだあります。二枚貝の様な食材そのものだけでなく、嘔吐や糞便からの飛沫にも注意しなければなりません。さらに最近のノロウイルスは不顕性感染が増加しています。症状が表れていない方が調理した料理で感染を広げたり、食中毒を引き起こしたりもします。実際東京でも、調理担当者に自覚症状が無くその店の弁当を食べた集団に発生したといった報告もあがっています。

では感染予防として何が効果的なのか講演内容から予防法をまとめてみました。まず変異性ウイルスのため現在ワクチンは存在しません。よって、とにかく手指などから経口への侵入を防ぐ必要があります。またアルコールに消毒効果もありません。ですので、直接ウイルスを失活させることができないのであれば、ウイルスの残存率を減らすことこそ最大の予防法です。実際のデータから、2回正しい手洗いを実施することで残存率を0.0001%まで減少させることができる結果が報告されています。もう一つ手洗い、うがい以外に有効な予防法は次亜塩素酸ナトリウムによる消毒です。ハイター等の塩素系漂白剤を希釈するだけですので簡単に活用できます。

皆さんも生ものを中心とした食料には十分注意して、元気に冬を乗り切りましょう。

投稿:江東区の老人ホーム メディカルケアタウン東大島 [MCT東大島]
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