こんにちは。事務課 吉村です。
1月15日(金)に地域交流サロンで医療講演会を行いました。今回の講演会は『脂質異常症』について、あかねクリニックの諸冨先生に講演を行っていただきました。以下講演会の様子です。
脂質異常症は、以前「高脂血症」と呼ばれており、2007年以降に「脂質異常症」へ記載が変更されました。その変更理由は、以前の診断基準「総コレステロール値(220mg/dl)以上」の場合、善玉コレステロールが多い場合に総コレステロール値が高くなり、脂質異常と判断されるケースがあったからです。ところが2007年以降、脂質異常の診断基準指標は以下のように変更されました。
①悪玉(LDL)コレステロール値 140mg/d 以上
②善玉(HDL)コレステロール値 40mg/dl 未満
②中性脂肪 150mg/dl 以上
これらに1つでも当てはまれば、全て脂質異常と診断されます。中でもLDLコレステロール値と中性脂肪の値が基準値を上回っている状態が続いている方は、動脈硬化や脳卒中、心筋梗塞まで引き起こす危険性も出てくるため、注意が必要です。
では、上記①~③全てに当てはまらなければ正常といえるかというとそうではありません。最も重要な指標は脂質バランス(L/H比)であると先生はおっしゃっていました。実際、心筋梗塞を起こした患者の多くが、HDLコレステロール値が基準内でしたが低めの傾向が見られたようです。また、中性脂肪値は冠動脈疾患の危険度に比例していることも報告されています。LDLコレステロール値を下げる場合、中性脂肪値を下げる場合には、以下を実践してみるとよいでしょう。
・LDLコレステロール値を下げる場合
①鶏卵やレバーなどのコレステロールが豊富な食品は控える。
②乳製品や肉類に多い動物性脂肪の摂取を控える。
③ニンジン、ゴボウなどの根菜類、海藻類など食物繊維が多い食品をたっぷりとる。
・中性脂肪値を下げる場合
①食べ過ぎは肥満の元凶であり様々な病気を引き起こす原因となるため十分に注意する。
②飲みすぎは中性脂肪を増やし、喫煙はHDLコレステロールを減少させるため、アルコール、タバコを控える。
③砂糖、お菓子などの甘いものは体内で中性脂肪に変わるため、糖分の摂りすぎに注意する。
また、最も効果的なのは適度な運動です。血液中の総コレステロールや中性脂肪を減らすだけでなく、HDLコレステロールを増やす効果があるようです。まず、体への負担が少なく手軽にできるウォーキングから始めてみるのがよいかもしれません。エレベーターを使わないなど、歩行数を増やすことを日常生活の中で心がけてみてはいかがでしょうか。
Copyright © メディカルケアタウン東大島. All Rights Reserved.